RSS | ATOM | SEARCH
寄居の『五百羅漢』


埼玉県寄居町に、永正8年(1511年)に創建された少林寺(曹洞宗)という古刹があります。
この寺の裏山を羅漢山といい、山頂に釈迦如来を祀っています。少林寺から山頂への参道は左右2つに分岐して、右の道に千体荒神の石碑、左の道に五百羅漢石像が並んでます。
これらは天保3年(1832年)に安置され、その規模は関東一だそうです。



五百羅漢の石像は、九十九折の坂道脇に、上の画像のようにずらっと五百体が並んでいます。その姿は全て異なっていて、それを見ながら歩いていると興味が尽きません。

羅漢とは仏教の信者から施しを受ける資格のある者をいい、悟りを開いた仏弟子に対する尊称です。釈尊の死後、最初に経典の結集をしたのが彼らだと言われています。

したがって、真面目な様子の羅漢像が多いのですが、500体もあるので、中には人間味あふれる石像も見られます。そうした面白み・滑稽味のある羅漢さんは、それを彫った石工や注文主の遊び心があるのかもしれません。なにしろ江戸時代のことですから、信仰心からの寄進とはいえ、現代人が想像する以上に、人々は洒落心を持っています。
以下では、そのいくつかを取り上げてみました。



両手を膝にあて行儀が良いのですが、なにか嫌なものを見たか聞いたかしたのでしょうか、目をつぶり口もゆがめて顔をそむけています。ウヘェ〜という感じです。



にっこり笑顔ですが、それで見える歯までちゃんとリアルに彫刻してあります。歯を見せている像は他に何体もあるのですが、当時は歯まで彫るのがハヤリだったのでしょうか。それとも、同じ石工の仕業でしょうか。



落語の師匠風。



長髪の羅漢さん? おさげ髪を両手につかんでます。「漢」というのは男のことだと思ってましたが、もしかして女性も・・・



なんだか浮かない思案顔。



左は痒くて、掻くのに夢中になってる・・・  右は無念無想のウンチングスタイル・・・



何か失敗をしてしまったような・・・



500体の中で、一番楽しそうに大口を開けて笑っていました。



巷間の隠れキリシタン説のバイブル「関東平野の隠れキリシタン」(川島惇二著)では、如意輪観音菩薩で右手を顎に手の平を下向きにあてていると、仏教を否定する隠れキリシタンのサインだそうです。著者は私の地元館林の龍興寺にある如意輪観音石像を挙げています。
それは上の画像とまったく同じ手つきです。とすると、こちらは仏教否定の羅漢となるわけで・・・



膝を抱えて天を仰ぐスタイル。鼻の穴がリアル。



500体の中で、一番立派に見えたゴリラ鼻。



500体の中で、唯一(?)立派なヒゲを生やしていた羅漢さん。



耳に手を当てているのはいくつもありましたが、この羅漢さんは指を耳の穴に入れてホジってます。



寿司を握っている仕草。寿司屋さんの寄進でしょうか。



打出の小槌を持った羅漢。本来ありえない構図ですが、江戸時代だからこその神仏混交でしょう。



がっぽり、お金を溜め込みました〜



ナマズ(?)の口を持って抱えています。魚屋さんの奉納かも。



赤ちゃんを抱っこしてます。強面の羅漢さんも優しげにしてはいるけど・・・



ほっかぶりして、顔を歪めてますが・・・どうなすったのでしょう。



アクビを我慢して。



顔を隠して・・・



寝てしまいました・・・お疲れ様



天を見上げている姿はいくつもありましたが、首をこれほどにまで曲げていると気になります。



ちなみに、千体荒神は一枚一枚に神の名前や梵字が刻まれた板石碑です。五百羅漢と同じ年代に安置され、現在は千枚近く残っています。
author:u-junpei, category:雑記, 18:31
comments(0), trackbacks(0), - -
Comment









Trackback
url: トラックバック機能は終了しました。