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県立館林美術館「舟越桂 私の中のスフィンクス展」


10月28日は群馬県民の日で、県立館林美術館も観覧料が無料になる。そんなわけで駐車場がとても混んでいた。

舟越桂という彫刻家の特別展「私の中のスフィンクス」をやっているのだが、展示されている作品全部が胴体から上の人物像で、大体皆同じような顔つきで首が太くてとても長い。一見したときの西洋顔の印象は女みたいだが男性かも・・・で、美輪明宏に似ていると思った。
もちろん、私がそんな程度の感想でしかないのは、無料だから見に行くというほどのド素人であるからにほかならず、駐車場が混んでいることに文句は言えない。

スフィンクスといえば、エジプトの巨大ピラミッドの前にドーンとある半人半獣(人間の顔でライオンの体)のやつだろう。私が子どもの頃に初めてスフィンクスという存在を知った時の記憶では、旅人がその前を通ると、彼は旅人になぞなぞを吹っかける。
『はじめは四本足で、次に2本足になり、やがて3本足になるものはな〜んだ』と問い、旅人が正解を答えられないと食ってしまうという話だった。

スフィンクスのことを「彼」と書いたが、実は雌雄同体だということを、この展覧会で初めて知った。私はスフィンクスは男だとばかり、ずっと疑いも無く思い込んでいたのだ。
だから、「私の中のスフインクス」という題名も、何を言いたいのかさっぱり分からずに見に出かけたのだった。

舟越桂は1952年生まれで、今も現役で活躍している。展覧会ではその彫刻を3時代の章の部屋に分けていた。「2000年代初め〜現在」がその3章で、それまでに製作していなかった裸体で、雌雄同体の様子が描かれている。いうなれば、西洋女性のような端正な顔と豊満な乳房をしている体なのに男根がある。

展示室に次のような文があった。

『「人間の存在」は外から見えているものと、見えていないものとの両方で成り立っているはずだ。そういう考えから、ここ二十数年作品を作って来た。それらの作品を人によっては「異形」と呼ぶ人たちもいる。 舟越桂』

つまり、舟越桂はそれを「異形」ではないのだと言いたいのだろうか?

口にバッタを咥えているかなり大きな裸体像があって、足がない代わりに4本の長い棒で空間に支えられているのだが、私にはそれは異形でしか見えなかった。作家に同感するのはなかなか難しい。

作家の初期の頃のから現在まで共通しているのは、楠に彫刻し大理石で作られた精巧な目が入れてあることで、これが彼の作品の特徴のようだ。しかも、その瞳はやや外側に向けられていて、鑑賞者が正面に立って見ても、目が合わないように工夫されている。それは、彫刻の人物自身の心が、内面に向いていることを現しているのだそうだ。

そういわれてみて、もう一度展示品を回ってみたのだが、いずれも内省的で、彼もしくは彼女が何を考えているのか分からない印象を受けたのは興味深かった。

ちなみに、この特別展は12月6日までやっている。観覧料一般820円。
author:u-junpei, category:博物館・美術館, 21:21
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