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読評 「キラキラ共和国」(小川 糸 著)

 

NHKラジオの新日曜名作座は、夜7時20分から30分間放送している。西田敏行と竹下景子がそれぞれ男女役になり、数人の登場人物を演じ分けているのだが、二人の個性のせいか、けっこう面白い朗読劇になっている。

 

先月、買い物途中の車中で、たまたま聴いていたら、西田が「ポッポちゃん」と呼びかけたり、竹下が「QPちゃんのお手紙」とか言うセリフで、『ツバキ文具店』だと分かった。

ところが、内容が私の知っているのとは違うようだ。

http://blog.kiriume.com/?eid=1223420

聴いている途中でスーパーに着いてしまったが、続編が出たのかと思い、ならば、本で読めばいいと、買い物を済ますことにした。

 

『続・ツバキ文具店』だろうと検討をつけて検索したら、該当するものがない。念のため番組をチェックしたら、やはり『続・ツバキ文具店』になっている。色々しているうちに、続編の題名は『キラキラ共和国』だと分かった。

作家は何故、今までとは無関係のような、とっぴもない(?)タイトルにしたのだろう。そんな興味もあって、図書館に予約を入れた。

 

前作の『ツバキ文具店』が手元にはないので、しっかりした比較ではないが、この『キラキラ共和国』では、作家の文章がこれまでより弾んでいるようだ。陰影のあった鳩子も、明るく饒舌になっているような気がする。

この新作では、雨宮鳩子が結婚し守景鳩子になったところからスタートするので、いわば文体も新婚風にというわけだろうか。

 

前作と同様、鳩子が手紙の代書を商売にしているのは変わらない。ところが、前作では依頼を受けた手紙の後日談が必ず語られていたが、今作ではそれがない。

これは、結末を読者の想像に任せることにしたのか、あるいは後日談を3作目に予定しているのだろうか。

 

鳩子の母親が、レディ・ババとして異常(?)な登場をするが、これは唐突感を免れなかった。しかも、この話も中途半端に終わっている。やはり次回作がないと、小説としても完結しないだろう。それにしても、これを出版戦略にしているなら、なんだかな〜とは思う。

 

『キラキラ共和国』の「キラキラ」については、最初と終わりの方の2ヵ所で触れられている。なるほど〜ではあるが、未読の読者の為にここでは触れないでおこう。

ちなみに、続編を楽しもうと思ってる読者なら、ラジオ番組のように『続・ツバキ文具店』の方がしっくり来ると思うのだが・・・

author:u-junpei, category:読評, 20:20
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