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読評 「14歳からの数学」(佐治晴夫 著)

 

2019年8月に出版されたばかりで、図書館の新刊書コーナーにあった。

14歳といえば中学2年生だが、私の塾生にも何か役立つものでもあればと思い借り出した。

副題に「佐治博士と数のふしぎの1週間」とあるように、内容を月曜日から日曜日の7つの項目に分けてある。1日1項目なら読み終えやすいだろうと見当をつけたのも、借り出す理由になった。

 

だが、読み始めてまもなく、それが安易な考えだと分かった。書かれている数学の内容は、中学生どころか高校生、あるいはおそらく大学生の範囲まで含まれている。こうなると私の目的には合わなかったし、出てくる数式も分からないので読み飛ばしたりもした。

また、数学用語には、当然分かってるでしょうを前提にするのではなく、対象が中学生であるなら、もっと説明があっても良いと思った。例えば木曜日の『2次方程式』の項で、2次方程式を解く「根の公式」を導く過程を説明しているが、これは中学では「解の公式」と呼ばれている。公式の導き方も、私の使っている中学の教科書に出ている方法とは異なっている。現役の中学生には『えッ』となるのではないかと思った。

 

私は中学生に「根の公式」という言い方をしたことがない。ネットで調べたら、どうやら「根」と「解」では視点が異なるらしい。2次方程式では「解」の方を使うようなのだが、どうなのだろう。

 

内容は概して、14歳の中学生には、難しいだろうと思った。それでタイトルが『14歳からの』となっているのだろうが、思い切って14歳に限定して、分かり易い内容に限定していたらよいのにと思った。

そう思って、著者のプロフィールを改めて見ると、『14歳のための物理学』、『14歳のための時間論』、『14歳のための宇宙授業』というように、なぜか14歳に限定したタイトルの本を出している。

 

これを見て、なるほどと思った。この『14歳からの数学』は、これら『14歳のための・・・』の集積だったのかも知れない。だから、本書では、物理や時間や著者が専門とする宇宙の『ゆらぎ』理論に触れられていたのだろう。もっとも、その多くは私には理解不能だったのであるが・・・

 

「あとがき」の最後に

  ーー数学は論理の音楽であり、音楽は情緒の数学であるーー

とある。引用が無いところを見ると、これは著者自身の言葉なのだろう。

 

おそらく、含蓄深い言葉であるように思うのだが、私は音楽に疎いのでよく分からない。もしかして、これに共感できないと、高等数学は理解できないのかもしれない。

いくら『14歳から』とはいえ、高齢者の私には手遅れかと・・・残念ながら、若い人に期待するよりない。

author:u-junpei, category:読評, 16:16
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